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絵本

『ちいさなふたりの いえさがし』(こどものとも2020年3月号)

たかおゆうこ さく (福音館書店)

絵本『くるみのなかには』(講談社)の1ページから生まれた物語。

くるみの中でろうそくを灯して静かに暮らしているおじいさんとおばあさんはどんな生活をしているのでしょう。

 

ある日、旅先の長野県小諸市で 豊かな葉をさわさわと風にゆらしている、見ていてとても気持ちの良い大きな大きな木を見つけました。その木は小高い丘に立っていて、周りにはじゃがいも畑やりんご園、その向こうには八ヶ岳の山々が美しく連なっているのが見えました。思わず木のそばに近づいて、ふと下を見ると黄緑色の果皮に包まれたくるみが落ちていました。「ああ、この木はくるみの木なんだ……

それから私の想像していたちいさなおじいさんとおばあさんは、くるみの中からとびだします。畑をかけまわり、川に水をくみに出かけ、りんご園のりんごの木にさえ登ります。ちいさなふたりが可愛い苺や大きなスイカを家にしたらどんなだろう……折しも長野県はすいかの名産地でもあることを知りました。そんなおじいさんとおばあさんのお話を物語にすることができました。みなさん、ちいさなふたりといっしょに家さがしの旅を楽しんでくださいね!